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第9回新型コロナウイルス感染症に関する調査 ~ 検査・診療医師の4月末ワクチン接種は8割超え、若年層への感染拡大を実感 ~

公開日: 2021-05-31
更新日: 2021-05-31
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2020年3月以来、自社の協力医師会員を対象に新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査を継続的に実施して参りました。この度、9回目となる調査を実施し、その結果をまとめましたのでお知らせいたします。

第9回新型コロナウイルス感染症に関する調査の概要

調査目的

2020年3月以降、9回にわたって実施しているトラッキング調査の内、今回の4月調査を2020年の4月、8月、12月、2021年2月実施の調査結果と比較するかたちで、診療現場にいる医師の実感を掴み、医療機関の対応状況、医師の意識の変化を見る。

調査概要

当社サービスにご協力をいただく医師とのコミュニケーションサービス“Doctors Square”登録会員医師で、2020年3月の第1回アンケートに回答のあった815名を対象に実施しました。

1. 調査対象

Doctors Square登録会員医師のうち、2020年3月第1回アンケート調査に参加した方

2. 調査方法

インターネットアンケート

3. 調査期間

2021年4月27日 (火)~5月4日 (火)

4. 有効回答者数

552名(対配信数:68%)

5. 配信対象者の属性

全国の病院、診療所の勤務医及び開業医

6. 主な調査内容

  • 新型コロナウイルスワクチンの接種意向、スタッフの接種率、患者への推奨意向
  • 変異株の治療、変異株に見られる傾向
  • 東京オリンピックの開催可否、開催するための条件
  • 後回しになっている治療、変更された治療方針
  • (継続項目)感染疑いのある患者の診察・検査状況/来院患者数の変化/医療スタッフの充足/医療スタッフの疲弊度/医療現場で困っていること など

調査結果

  • 検査及び治療にたずさわる医師の4月時点でのワクチン接種率は8割超
  • コロナ診療による入院・手術・救急搬送等への影響は2~3割
  • 検査・治療にあたる医師の半数が、変異株による若年層への感染の広がりを実感


詳しくは、下記及び調査結果の詳細をご覧ください。
第9回調査結果(2021年4月実施)
※過去の調査結果

調査結果の詳細

1. 検査及び治療にたずさわる医師の、4月時点でのワクチン接種率は8割超

2021年2月に、医療従事者へのワクチン接種が開始されました。約2ヶ月が経過し、医師へのワクチン接種はどの程度進んでいるのでしょうか。接種意向とあわせて聞きました。(図1)
2月調査では僅か1%だった「既に接種済み」は、今回は全体の6割まで伸びました。特に、新型コロナウイルスの検査・治療を実施している医師や医療機関では8割超に達します。「ワクチン接種済み」が相対的に低いのは、新型コロナウイルスの受入れが少ないと思われる診療所・小規模病院の医師で、半数弱という結果でした。
医療従事者へのワクチン接種が進まない点を懸念する声も一部に聞かれましたが、着実に接種は進んでいるようです。診療所・小規模病院医師の接種がさらに進むことで、かかりつけ医での高齢者、またその先の高齢者以外の方へのワクチン接種体制確保が期待されます。

図1.新型コロナウイルスワクチン接種状況、意向
図1.新型コロナウイルスワクチン接種状況、意向

2.コロナ診療による入院・手術・救急搬送等への影響は2~3割

これまで以上の規模で感染者数が拡大した2021年4月以降の第4波は、新型コロナウイルス感染患者の受け入れはもちろん、一般患者の診療にも影響を及ぼし、「医療崩壊が始まっている」との声も一部に聞かれました。実際、新型コロナウイルスの影響で、通常の治療が後回しにされたり患者受け入れを停止したりといった影響は、どれくらいあるのでしょうか。複数回答で尋ねました。(図2)
変更・制限・停止内容について、新型コロナウイルスの検査・治療ともに実施している医師の回答を見ると、「入院患者の受け入れ制限」が35%、「必要な手術の延期」が24%、「救急搬送患者の受け入れ停止」が18%などとなりました。一方で、診療の変更や制限等が「特にない」との回答は30%でした。
日本の医療の特徴ともいえる「いつでも、だれでも平等に医療が受けられる」という視点から見れば、これらの受け入れ制限や停止、手術の延期などの数値は決して低いとは言えません。これ以上増えないよう、医療機関・医療従事者への支援が不可欠です。

図2.後回しになっている治療や、変更した治療方針(複数回答)
図2.後回しになっている治療や、変更した治療方針(複数回答)

3.検査・治療にあたる医師の半数が、変異株による若年層への感染の広がりを実感

実際に新型コロナウイルスの検査や治療にあたる医師は、変異株にどのような印象をもっているのでしょうか。今回の調査では、変異株に見られる傾向を複数回答で尋ねました。(図3)
「20~30代の感染が増えた」は回答者全体の半数から挙がり、次いで「40~50代の感染が増えた」が4割でした。検査・治療ともに実施する医師に限ると、「40~50代の感染」も過半数となっています。また、重症化率は、「40~50代」「基礎疾患がない人」で高くなったとの回答が、検査・治療ともに実施する医師で2割前後ありました。
従来株と「変わらない」は2割以下に留まっており、医師の実感としても、感染年齢層の広がりや重症化率の上昇などのリスクがより高まっているようです。

図3.変異株感染に見られる傾向(複数回答)
図3.変異株感染に見られる傾向(複数回答)

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当社が運営する医療機関検索サイト「病院なび」( https://byoinnavi.jp/ )は、身体に不調を抱え受診を希望する患者さんを中心に多くの方々にご利用を頂いています。そのなかには新型コロナウイルスへの感染が疑われる、不安を感じておられる患者さんのご利用も多くあります。当社では、医療崩壊を未然に防ぎ、また患者さんを二次感染などから守るべく各フェーズで次のような取組みを行っています。
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適切な医療を受けるために
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