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花粉症

公開日: 2021-06-22
更新日: 2024-02-20

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石田 芳也 医師

花粉症とは

花粉が目や鼻から入り込むことで、体質によりさまざまなアレルギー症状が出る疾患です。主に春先や秋に発症することが多く、花粉の種類によって症状の出る時期が異なります。また花粉症は、症状があらわれるのは花粉が飛んでいる時期だけで、花粉が飛ばなくなると症状は改善される季節性のアレルギー疾患です。1年を通して症状がある場合には、ダニやハウスダストなどが原因となる通年性のアレルギー疾患が疑われます。

原因

日本国内における花粉症の最大の原因はスギ花粉です。そのほかに、ヒノキ、シラカンバ、ブタクサ、カモガヤなどの花粉も原因となります。それぞれ飛散する時期は異なり、これらの花粉が目や鼻から入り込むことで、発症する可能性が高くなります。

症状

鼻や目を中心に、以下のような症状があらわれます。症状があらわれるのは花粉が飛んでいる時期だけで、花粉が飛ばなくなると症状は改善されます。
 
〇 主な症状

  • 鼻水(さらさらとしていて水っぽいもの)
  • 鼻づまり
  • くしゃみ
  • 目や鼻のかゆみ
  • 涙目
  • 目の充血
  • 頭痛
  • 倦怠感

など

花粉-食物アレルギー症候群

花粉症にかかっていると、特に野菜やフルーツなどの特定の食べ物を食べたときに、口の中がかゆくなったり、唇が腫れたりすることがあります。場合によってはアナフィラキシーショックといった命にかかわる症状が出ることもあるため、食事の内容には注意が必要です。

検査・診断

症状から花粉症が疑われる場合に、まずは内視鏡などを使って、鼻腔(鼻の中)の腫れ具合や鼻水などの状態を確認します。あわせて血液検査で、どの花粉に反応しているのかを特定し、診断をします。場合によっては、花粉エキスを染み込ませた紙などを使って、皮膚が赤くなるかどうかを見る皮膚テストや、その紙を鼻の粘膜に置いて反応を確認する鼻誘発テストなどの検査を行うこともあります。

治療・治療後の注意

「薬物治療」「免疫療法」「外科的治療」に分けられます。

薬物治療

くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状をやわらげるための対症療法です。主に、飲み薬や点鼻薬、目薬を使用します。花粉が飛び始める前や症状が強くなる前から治療を開始すると効果的です。

免疫療法(減感作療法)

原因となる花粉の成分が入った薬剤をあえて身体の中に取り込みます。花粉の成分が入った薬を注射して取り込む方法を「皮下免疫療法」や、舌の裏側に花粉の成分が入った錠剤を置いて取り込む「舌下免疫療法」があります。対症療法とは異なり、花粉症を根本的に治したり、長期的に症状を抑えたりすることが期待できる治療法(根治療法)です。

外科的治療(レーザー治療)

鼻の粘膜に対してレーザーを照射してアレルギー反応を出にくくする治療です。局所麻酔で30分程度の処置のため、一般的に日帰りでの手術が可能です。薬物治療や免疫療法でも症状が改善されない場合に検討されます。

予防

原因となる花粉を、目や鼻から身体の中に入り込まないようにすることが予防につながります。花粉の量が多いときには外出を控えたり、屋内に入るときに上着などに付着した花粉を外で払い落としたりするなど、生活する空間に花粉を入れないようにすると効果的です。

医師紹介

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石田 芳也 医師
2004年 旭川医科大学大学院卒業

2014年 北見赤十字病院。耳鼻咽喉科専門医(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)、がん治療認定医(日本がん治療認定医機構)、補聴器相談医(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)。専門分野は頭頸部がん、頭頸部外科、内視鏡下甲状腺手術、甲状腺疾患。